おと・な・り

sandayu2009-06-21

http://www.oto-na-ri.com/index.html
嘘の多い映画である。
設定も、ストーリー展開も、人物描写も無理がある。が、意外と受け入れちゃったんだよな。
同監督作品は、ニライカナイからの手紙虹の女神と、(意図せず)観てきたが、今回は「いい話」に収まってなくて、うまくいってるところ、失敗しているところ併せて、「仕掛けている」感じが面白かった。
タイトルは「お隣り」「音鳴り」のダブルミーニングであるようだ。(もしかしたら「大人なり」の意味も)。もともと映画は無声映画だったくらいで「映像の作品」 だと思うが、「音」から想起される生活感や感情って楽しいよな、と再認識した。はるか昔、某テレビ局の就職試験の課題で映像を撮ったとき、路地裏に入って家事の音をおさめようと奮闘したことを思い出した。
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それにしても、今更ながらつくづく「個」の時代だなぁと思う。
土曜日の最終回、(私を含め)単身の客も散見され、右隣に座っていた女性は靴ぬいで体育座りでおくつろぎであった。
様々なしがらみから解放され、何でも許されて、だからこそ、何をしたいのか探し続け、幸せになりたいと誰もが願っている。畢竟、みーんな自分のことばかり考えていて、せいぜい「半径数百メートル以内」で生きている。
30になって、生き方に迷う登場人物たちの姿がよくでていた映画だった。単にそういう作品を好んでみているからだけなのかもしれないが、「ぐるりのこと」しかり、せまい範囲の映画が多い気がする。それぞれはいい映画なんだけど、それはそれで寂しい気もする。
でもね〜。自分とまわりのことでいっぱいいっぱいだよね。。。そんな迷いの多き歳に近づきつつあるんだな、と思う。
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麻生久美子さんは美人さんである。