絶対値

あまり会いたくない類の人が夢に登場し、面と向かって私のわきの下あたりをぐぐっとつかむ。悔しいことに見事に止血位置。血が止まった手はいうことをきかず、抵抗できない…ところで目が覚めた。当然気分は最悪である。
考えに考えてとった行動…というか、その時の感情に正直にとった行動を、後悔するのは酷な話だが、暗くなるのも仕方ないだろう。もっと方法があったはずなのに。せめてもっとフォローがあったのではないか。随分経ってから留守電に気づいて(そのときは直後にかかってきたので気づかなかった)、傷つけたことに傷ついたりもする。
忘れていたことをさえ忘れていた感情が、ふとした時に、ふとしたきっかけでよみがえる。他にいい喩えを思いつかないくらい、完璧な形で訪れた。そうしてまた、新しい血を流す。
これは私だけだろうか。いい想い出のほとんどが、胸の痛みなしには想い出せない。あるものは自業自得で、あるものは不可抗力によって、悲しい出来事とセットになっている。今日くらい、晴れ晴れとした気持ちでいたっていいじゃないか。
今となっては、すべてが伏線に思える。絶対値が甚大な、正負両方の状況がいっぺんにやってきて、ただ泣きたくなるしかなかった。
話変わってナイショ話をひとつ。
今日人に会う用があったのだが、名刺がきれていた。しかたないから、昨晩今日になってから、無料ソフトを使って作成…したのはいいものの、今度は紙がない。部屋中を引っかきまわし、中学生時代のスケッチブックをひらいたりもし、妹の部屋も確かめたが、ない。深夜だし雨が強くて、買いに出たくない。で、苦肉の策、就活していたときの各社パンフレットを点検し、上質紙で余白が多い白い紙をさがす。あるもんですねぇ。某社のパンフをばらして刷って、百均で買ったカッターでひんまがりながら切って、元々字が印刷されていたものを除く。できた。今日差し上げた方々、よもやこんな裏事情とは思いますまい。うしししし。