スイッチ

帰宅すると、そこは早9月である。おもわず「えっ…」っと言葉を失う。べつだん8月に大きな未練があるわけではないけれど。踊らされてるのは、ある意味楽なのだ。
どういう風の吹き回しか、スキマな“スイッチ”が入ったらしく、このごろやたら聞いている。ある日夜中に目が覚めたら、間髪いれずに頭の中で「ビビるんじゃねーぞ♪エンジン全開だ!」と鳴り出して、往生した。
付き合いの長い人はご存知かもしれないが、若い男性バンドの青くさい青春ソングはもっとも苦手とするところだから、私にしてはちょいと珍しい。歌詞が聞き取れない感じで勢いよく歌われるのがいいのかな。

積み上げたものぶっ壊して 身に着けたもの取っ払って
幾重に重なり合う描いた夢への放物線
紛れもなく僕らずっと全力で少年なんだ

この歳になれば、ある程度積み重ねたり身につけなければろくな仕事はできないし、“夢を描く”のがどんなに大変か知っている。想いを告げる勇気を出せるか否かの単純さで世の中はできていないし、もう“全力”出したって“少年”なんかできやしない。でも、いやだからこそ、たまにはこんな心がけもいいかな、と思っている。
そうそう、性格も姿勢もねじ曲がっているくせに、ボーリングの球筋はまっすぐ直球勝負なのだ。