活字の海におぼれて
東映は、50年代は時代劇映画を量産し、片岡千恵蔵、市川右太衛門、中村錦之助、大川橋蔵などなどのスターを輩出したが、60年代にはいると人気が衰え、仁侠映画に移行する。この時のスターが、鶴田浩二や高倉健である。仁侠映画というのは、たとえば、果し合いに出かけようとする男、見送る女、しかもおなかの中には子供、男「その子が男だったら、俺みたいな子にするんじゃねえぞ」、女「もし女の子だったら、あんたみたいな男に惚れるように言うわ」、男、ふっと笑って去る…みたいな映画である。70年代に入るとその人気も衰え始め、実録ヤクザ路線に転向する。代表作はすなわち73年にはじまる「仁義なき戦い」である。ちなみに高倉健は75年に東映を退社、他社の映画に出演するようになった。もうひとつ、今挙げた映画の殆どを私は観ていない。
さて、今挙げた鶴田浩二は「傷だらけの人生」という歌を出しており、歌に入る前にセリフが入る。「古い奴だとお思いでしょうが、古い奴こそ新しいものを欲しがるもんでございます。どこに新しいものがございましょう。生れた土地は荒れ放題、今の世の中、右も左も真っ暗闇じゃござんせんか。」
というわけで、今の私は右も左も活字だらけなのである。
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