戦争もの尽くし

昨日の学園もの尽くしが、好評でも不評でもなかったので、今夜は戦争もの、思いつくままに。あきれるなり、のけぞるなりなんなりと。自分でも自分の思いつき行動を止められません。

六千人の命のビザ

戦時中、リトアニアの領事だった杉原千畝は、ナチスの迫害を受けるユダヤ人に対してビザを発給し続けたのですね。要するに日本のシンドラー。よく分からんが、このドラマの評判はどうだったんだろう。よみうりテレビが何を意図していたのか、イマイチよく見えない。例えば、戦争をよく知らない人へのメッセージだったのか。私は多少なりとも知識があったからよさそうなものの、ナチスユダヤ人を迫害して云々というところの事情は、見ていてよく分からなかったのではないか。というか私もよく分からなかった。見ている間、そもそも「何で迫害するのさ?」のはてなマークが延々。では例えば、杉原という人となりを描いたのか。たしかに反町&飯島が、もくもくと頑張ってた。でも、何をやっているのかイマイチ分かりにくいし、2人ともいわゆる「よき昔の日本人」のまんまで、人間性まではあまり見えない。好物だとか弱い部分だとか、そういう日常風景がほしかったような。ま、杉原千畝自体よく知らなかったので、単純にふーんと観てました。一番面白かったのは、戦時中の公道として、うちの大学内がロケに使われていたこと。なるほど、どこかの施設内でもなければ、昔っぽい道なんて残ってないものね。

★太陽の子

太陽の子 (角川文庫)

太陽の子 (角川文庫)

78年の作品。知っている人は知っているでしょうが、事情があって読んでおります。まだ途中だからよくわからないが、特に奇抜なところはなく、セオリーどおりきちんと作ってある印象。

カンゾー先生

カンゾー先生 [DVD]

カンゾー先生 [DVD]

戦時下の岡山県。街医者の赤城(柄本明)は、いつも肝臓炎と診断するので「カンゾー先生」と呼ばれる。軽快なジャズにのって、柄本が走る、走る、走る。原作は坂口安吾の短編だけど、結構内容違ってた。湿っぽくなくて、バイタリティーにあふれている。直接戦争は描いていないけれど、ラストで「みんな肝臓じゃ!」と叫ぶあたりが爽快。ネタバレなんで詳しく書けないけど。麻生久美子、ひそかに応援してます。それにしても、今村昌平監督。誰かが「偉大なる助平である」と言ってたが、まさにそのとおり。失礼ながらいい年こいた爺いのくせして、なんなんだ。近作『うなぎ [DVD]』『赤い橋の下のぬるい水 [DVD]』にしても、すごい。エロでうっているわけでもなく、あくまでもバイタリティーとしての表現。 ちなみに、柄本の役は元は三國連太郎(佐藤浩市の父)が演るはずだったが、具合が悪くて変更になったように記憶している。

★日本のいちばん長い日

日本のいちばん長い日 [DVD]

日本のいちばん長い日 [DVD]

ポツダム宣言の受諾を決定してから、玉音放送までの「日本のいちばん長い日」を描いたノンフィクション。あくまでも徹底抗戦を叫ぶ一部の軍人たちが、玉音放送を阻止すべくクーデターを計画する。単純にドキュメンタリーとして面白い。教科書ではほんの数行しかない記述の中に、これだけ多くの人の多くのドラマがあったかと思うと…。しかし役者が豪華。勝手に盛り上がっておくと、三船敏郎宮口精二笠智衆山村聡志村喬加東大介、藤田進、加山雄三、先代の松本幸四郎、他多数!! この前亡くなった岡本喜八監督は、『侍』とか、テンポのいい作品を作っていた。『大誘拐』なんか、「そうきたか!」と、してやられた。ちなみに、『八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学 ちくま新書 (544)』という本が面白そうなのでここにメモ。

★父と暮らせば

父と暮せば (新潮文庫)

父と暮せば (新潮文庫)

こないだ映画化されたが、私は元の演劇の方を観た。テレビで放映してたやつだけど。テーマとしては、『夕凪の街桜の国』と似ている。広島原爆のあと、生き残った娘と、亡くなった父(亡霊)の2人芝居。広島弁の調べと、死者と違和感なく話せる舞台特有の効果で、よかった。

★夕凪の街桜の国

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

こっち見てネ→(http://d.hatena.ne.jp/sandayu/20051007/1128700808