品川心中 三遊亭円生

突き落し/品川心中

突き落し/品川心中

好きだ好きだという割にはこの頃あまり落語を聞いてなかったので、聞きました。面白かった。いまさら私が言うことでもないが、円生は上手だね。
しかし、なんかいいですよね。題名がいい。「品川心中」。談志がどこかで言ってた通り、「品川は白木屋という女郎屋に、板頭ァつとめるお染という女がいて…」という語り出し(ちょっと違ったカナ)は、落語の醍醐味と言えますな。展開もすごい。落ち目のお女郎、お染。パトロンがつかなくなってしまい、衣替え(盛大にやるので金がかかる)が出来ないというみじめさ。ならばいっそ潔く死んだ方がいい。でも金がなくて死ぬのも格好悪いから、客の1人である金蔵に頼んで心中してもらうことに。で、ああだこうだと金蔵を言いくるめて、「私もあとから行くから」と、桟橋からドボーンと海に落としたところで、店の者が止めに来る。「死ぬのはよせ、番町の旦那が三十両持ってきたから!」「あら…。金ちゃんごめんね。死ぬつもりだったんだけどね、お金が出来たから、チョイと遅れるの。生身の人間なんだからいずれは死ぬから、その時はお前さんのところに行くからちょいと待っててね」…っって何じゃそりゃ! なんちゅういい加減な2人。なのにお染も金蔵も、憎めないキャラなわけよ。