野村

野村ノート

野村ノート

野球はほとんど知らないのでうかつなことは言えないが、実はこう見えて、結構ノムさんのファンである。「クえないオヤジ」は大好きだから、この頃の、ほとんどリップサービスの域に達している発言の数々など、楽しくてしょうがない。
ヤクルトの監督をしていた時から知っていたが、それこそこちらは親父とキャッチボールをしていたようなガキだったから、どこまで分かっていたのか怪しいところだ。戦後初の三冠王になったとか、選手兼監督として「代打オレ」をしていたことは、かなり後になってから知った。セットポジションの開発だとか、「先発中継ぎ抑え」の分業をはじめたのが彼だというのは、もっと後になってから知った。
早い話「頭使って野球をやれ」という教えは、門外漢にも興味深い。いつかのドキュメンタリーで、「(プロとして)生きていくのは大変なことなんだ」と奮起を促したり、「9人のうちどうしてキャッチャーだけが逆をむいてプレーしているのか考えてみろ」といった発言は印象に残っている。
さて本書。基本的には「言われてみればそりゃそうだよな」ということが、一球一球の配球を含め詳しく書いてあり、ものの考え方として面白い。こちらも若者の端くれなので、私の若き故の未熟さゆえか、「年寄りの説教」みたいでちょっとだけ反発を覚える部分と、私の頭の悪さゆえか、話が煩雑であっちこっちにいっている印象あり。