クライマーズ・ハイ

横山秀夫(半落ちの人)原作作品のテレビドラマ化(NHK)。暮れに前後半でやっていたもの。いやー、面白かった。
1985年の日航ジャンボ機墜落事故御巣鷹山坂本九が亡くなった事故デス)を報道する、地方紙の1週間を描いたもの。詳しいことは、誰かのブログを検索して読んでください(笑)。その緊迫感とか、主人公は手柄を立てるヒーローでは無いあたりや、それでも格好いい辺りや、なかなかのものデス。「新聞紙じゃなくて新聞を作りたいんだ!」。話はずれますが、グリコ森永事件が出てきたり、黒電話がなったり、メールなんて無いから電話で記事を口頭で送ってよこしたり、きちんと古い車に乗っていたり、20年の月日を感じます。
群馬県と言えば「大久保清」「連合赤軍*1御巣鷹山」という辺りのくだりが笑えた。記者の誰だったか、「山があるのはありがたいことだよ、よそで殺しても埋めに来てくれるから記事になる」なんてことを言ってた。なぜか赤井英和だけが頑張って群馬弁を喋っていて、「さーさー」連発してた。*2
で、結局「好み」だな、ということを改めて感じた。いっちょまえにイイ悪イを判断しようとしていつも頭を抱えているのだが、最終的にはやはり自分の好みに行き着く。つまり私は、「青くさい青春ソング」が大嫌いで、男くさいおっさんが、いや、男達が、好きなのだ。男は腹が出て顔にしわができて一人前さ。(逆に言えば、どう年を重ねるかとも言える)。今回で言えば、佐藤浩市(三國連太郎の倅)、岸部一徳(元タイガース)、塩見三省光石研松重豊綿引勝彦、そして杉浦直樹(向田作品の映像化で頻出)…。濃いなぁ。使命感とか影響力とか売らんかなの思想とか意地とか名誉とか嫉妬とかが渦巻く中で、何がニュースか、何を伝えなければならないのか、正解の無い時間との戦い。

*1:要するに例の72年の「あさま山荘」につながる一連の事件では、内部分裂があって榛名山などで大勢殺されたのですよ。一応付け加えときますが、あさま山荘は勿論、御巣鷹だってリアルタイムの記憶はありません、念のため

*2:一部では有名な話ですが、作者の横山秀夫は元は上毛新聞の記者