米百俵

原作 山本有三/監督・脚本 島宏/製作・企画 斑目力曠/出演 中村嘉葎雄
上映会があるという情報を教えていただき、昨日行ってまいりました。
数年前の首相の所信表明演説で有名になった話。明治のはじめ、戊辰戦争で荒廃した長岡城下に、三根山藩から見舞いとして百俵の米が贈られてくる。が、ときの長岡藩の大参事・小林虎三郎は、この百俵の米を、貧窮する藩士には配分せず売却し、その代金で学校を作った。「国がおこるのもまちが栄えるのも、ことごとく人にある。食えないからこそ学校を建て、人物を養成するのだ。」と小林。
個人的には馴染み深い話なのですが、映画を観たのは初。原作が戯曲というのもあるのかどうなのか、まるで歌舞伎(ってあまり歌舞伎知らないけど)。説明口調や、型どおりのやりとりや、「これを見せたらもう何も言うまい」と言ってから散々語りだしたりするのはご愛嬌。小林=中村は、本当にごりっぱ。貫禄あり。それはそれで勿論のこととして、では人材育成って具体的に何?…というところをもう少し突っ込んで聞きたかった気もしなくも無い。
劇中「おまえさま」という表現が出てきますが、あまり耳慣れませんよね?これは長岡特有の表現だと思います。一般には「お前さん」を縮めた「おめさん」が使われている(使われていた)らしい。長岡トークをもう1つすると、文化2年創業の老舗、紅屋重正の大手饅頭は絶品です。翌日になると、皮が硬くなる。逆にこれは偉い。越後産のもち米を使った皮です。で、黒砂糖を使ったこし餡も旨い。今まで食べた中では多分いちばん好きな饅頭。