地球大進化

1 生命の星 大衝突からの始まり (NHKスペシャル 地球大進化 ~46億年人類への旅)

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NHKスペシャル 地球大進化 46億年・人類への旅 DVD-BOX 1

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mikiさんから「最近、流行のID論とやらについて教えてください。何だか突飛な発想はいつもアメリカからだなぁ。日本は慎重な人が多いのかな。」というコメントをいただいたので。
えっと、ID論って流行なんですか?! 恥ずかしながらわたしゃ初めて知りましたさ。で、調べてみると「インテリジェント・デザイン論」。平たく言えば、「ほっといてこんなにきちんと生物進化が起こるはずない。誰かすげー人(=神?!)が作ったに違いない!」ということらしい。
ぱらぱら見た限りでは、何の根拠も書いていなかったし、そもそもそんな根拠が見つかるとは思えないので、こいつは科学ではない。反論のしようがないものは科学ではない。という訳で即時却下。別に科学が万能とは思わない。が、科学でなければ議論のしようがないのです。科学ってルールなのよね。信条や意地のぶつけあいは感情論であり宗教。
で、なぜアメリカ発なのか。やっぱりキリスト教が大きいのではないでしょうかね。宗教は詳しくないのでうかつなことはいえませんが。(ちなみに『『新約聖書』の誕生 (講談社選書メチエ)』は面白かった。いかにして、聖書がこじつけられていったかという過程が書いてある)。話はずれるけど、人類学はキリスト教や欧米中心主義が邪魔して惨憺たる有様です。記憶だけで書いているので不確かですが、人類学の基本は、「肉食になったことで高カロリーを得、脳の肥大化を可能にした。そして壁画のように芸術を生み出し、人間になった」というようなもの。ふざけんなだ。ヨーロッパ人が肉を喰うようになったのなんて、つい最近じゃないか。狩りって大変なんだぞ。そう簡単に動物を獲れるもんか。第一人間は雑食だぞ。肉だけで語るな。それに何が芸術だ。Godにinspireされたmanだけがartを得たっていうキリスト教のまんまじゃないか。ったく、味噌汁でツラァ洗っておととい出直しやがれってんだ。
あと、何でアメリカから大物が出るかについては、『ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)』が面白い。簡単に言えば、ゾウもネズミも、本当は大きすぎるし小さすぎる。生き残るために、体に無理をしている、と。島みたいな小さな生活圏では、捕食者がいないから、ゾウは小さく、ネズミは大きくなる。これを日本に当てはめれば、小さい国は、トップは大人しく、でも全体として下のレベルは上がるってことになるわけです。大陸=アメリカはその逆。
さて、進化論について。詳しくやってないのでよく分からないし、そもそも誰もその現場に立ち会ったわけではないので分かりようがない学問なのだが。ともかく、個人的にはいわゆるダーウィニズムは胡散臭いとすこし思っている。突然変異と自然選択だけで進化が起こるのか、と。IDではないけど、もう少し別のファクターが必要なのではないかと。
そんな時観たのが『地球大進化』。面白いよぅ。感動だよ。テーマは、「父なる地球」。地球は、母のような存在ではなく、荒ぶる父のように、生物に次々と試練を与え、それに対応する形で生物は進化して来た。確かに当たり前で、微生物のままでよければ微生物のままなワケだ。つまり、隕石は落ちてくるわ、全球凍結が起こって地球上どこもかしこも氷で覆われるわ、という環境変化に対応するために次々と種がうまれ、わぁーっと増えていく、ということ。ほぉー。その他、さまざまな最新の学説が紹介されていて楽しい。第5集が目の進化についてで、お気に入り。第6集は前述の人類学のまんまなので眉唾。